第1回では、序盤の初動と「訓練度」の扱いを見ました。今回は、最初の拠点を取ってから盤面が開けていく――いわゆる中盤への移り方です。
Kingdom Chronicle でつまずきやすいのは、実はこの継ぎ目です。序盤の型はつかめたのに、そこから先で手が止まる。理由の多くは、他のシミュレーションゲームで身についた「常識」を、そのまま持ち込んでいることにあります。ひとつずつ置き換えていきましょう。
「押し合い」に入ったら
序盤に隣接拠点を落とすと、接する国が増え、武将も増えて、コマンドに余裕が出てきます。ここで徴兵・訓練・開発のどれに手を回すか迷いはじめる――それが中盤の入り口です。
目安は、拠点数が6、武将が君主込みで8名になったあたり。ここからを中盤戦と考えてください。そこまでは徴兵・訓練・出陣を最優先にして、序盤のAI勢力がまだ満足に同盟を組めておらず、兵数も訓練度も確保できていない――その隙を狙い続けます。このあたりで、滅亡する勢力も出はじめているはずです。
コツは、全部を均等にやろうとしないこと。次に「どこを叩くか」を先に決めて、そこから逆算して配分します。当てる先が決まっていない資源運用は、たいてい薄く広がって、どれも間に合いません。
基本は序盤と同じで、兵数の確保と訓練度100の維持を軸に、開発と施しを隙間へ挟みながら、着実に自勢力を育てます。コマンドの優先順位でいえば、徴兵・募兵と訓練が最上位です。
兵は「貯める」より「回す」
最初に捨ててほしい常識がこれです。兵数をため込んでも、強くはなりません。
一度に能動的に動かせる兵には上限があり、名声が高くてもそれが青天井になるわけではありません。その上限を超えて抱えた兵は、いわば在庫です。そして在庫は、こちらが動かずにいる間も、相手の国力が伸びる分だけ静かに目減りしていきます。
たとえば名声50なら、同時出陣の限界まで動員しても150止まりです。手元に兵が300いても、能動的に動かせるのは150で、残りは動きません。出陣できる拠点の数が1~2しかなければ、動員できる数はさらに減ります。
仮に相手のAI勢力の兵数が、こちらの半分の150だったとしましょう。その時点の勝敗は、武将や同盟の状況にもよりますが、おおむね五分五分です。ところが数ターン先を見据えると、兵の調達効率で勝るプレイヤー側へ、天秤は自ずと傾いていきます。
だから、貯め込むより、効率よく調達して回す。溜めた大軍で一度に押し切る発想より、必要なだけを絶やさず供給し続ける発想のほうが、このゲームには合っています。
訓練度は「掛け算」で効く
同じ兵数でも、訓練度が違えば結果が変わります。兵の数だけでなく、武将の武力と訓練度が掛け合わさって、実際の戦力になるからです。数だけ揃えた軍が、訓練の行き届いた少数に競り負ける――これはよくあります。
徴兵したターンに、そのまま訓練まで回す癖をつけておくと、戦力の立ち上がりが安定します。
そして覚えておきたいのが、相手の訓練度が落ちた瞬間です。そこが、こちらのカウンターの窓になります。
攻め始めたら、止めまで
中盤で一番効いてくるのが、テンポの感覚です。
攻撃を仕掛けたら、間を空けない。一手空けると、その隙に相手も徴兵から訓練へと立て直します。こちらが回復に使う時間は、そっくり相手が回復する時間でもある――ここを見落とすと、延々と削り合いが続きます。
二部隊で攻めた次は一部隊、また二部隊、というように圧を切らさず、相手が訓練度を戻しきる前に次を当てていく。Kingdom Chronicle の「上手さ」は、編成や配置よりも、「いつ叩くか」に宿っています。
敵の拠点を、どう残すかも工夫のしどころです。残り1拠点まで追い込むと、AI勢力はその一拠点に名声上限いっぱいの兵を集められるため、かえって守り続けられてしまいます。そこで、詰める手前で相手を残り2拠点にして同時に攻める、あるいは3拠点なら二部隊出陣・一部隊出陣と、タイミングを計って畳みます。どちらも兵数の削り合いになるので、つい立ち止まって回復したくなりますが、攻めはじめたら息切れしないよう立ち回ります。
ここで一つ、このゲームの根っこを押さえておきます。プレイヤーとAIには、同じルールが適用されています。だから、こちらが苦しい展開は、立場が逆になれば、そのまま有利に働きます。難易度によってはプレイヤー側に大きなアドバンテージがあり、完全に平等というわけではありませんが、NormalやHardでは処理結果そのものは同じです。つまり、こちらが回復するのと同じペースで、AI勢力も回復してくる――だからこそ、手を止めないことが効いてきます。
中盤の生命線は、外交
単独の力押しで押し切ろうとすると、中盤のどこかで息が切れます。
名声は、信義ある行動――たとえば同盟国への援護――を通じて上がっていきます。この名声が、動員できる兵の上限に効いてくるため、外交を回してきた勢力は、終盤の総力戦で動かせる頭数がまるで違ってきます。
同盟国との信頼度は、いわば援軍の掛金です。同盟国が攻められたときに、こちらも援軍を惜しまない。これを怠っていると、いざ自分が助けを必要とする局面で、援軍がむしろ相手の側に集まっていた、ということが起こります。援軍は、来た瞬間に決まるのではなく、それまでの積み重ねで決まっています。
【開発チップ】難易度の仕様について
せっかくなので、難易度ごとに内部で何を変えているか、開発側から少しだけ明かしておきます。
Easy は、プレイヤーが少しだけ有利になりやすいよう調整しています。たとえば、開始直後にAI勢力が捜索で高レアリティの武将を引き当てにくい、といった具合です。外交面でも、Casualほどではないものの、AIがプレイヤー勢力を選ぶ確率がやや高めに設定されています。ただ、目に見えて優遇されるのは序盤の立ち上げ時期までで、そこから先はNormalとほとんど変わりません。序盤を楽に立ち上げて良い布陣を作れる分だけ有利、という難易度です。
Normal は、プレイヤーとAIがほぼ同じ条件で戦う難易度です。どちらかを優遇する補正はほとんどかかっておらず、いわば土俵が平等な状態。基本の処理結果を、そのまま味わえるのがここです。
Hard では、AI側の収支がわずかに多めになります。加えて、プレイヤー勢力が盤面で最大になると、AIがそれに敏感に反応し、こちらの邪魔になる手を選びやすくなります。突然、同盟を破棄してくることもあります。
Casual は、まずゲームの仕組みをつかんでもらうための難易度で、プレイヤーがAIよりかなり優遇されます。大きいのは収支の差です。Normalを基準にすると、Casualではプレイヤーの収入が約1.2倍、AIの収入が約0.8倍に補正されます。その結果、同じ国力・民忠でも、両者の収入にはおよそ1.5倍の開きが生まれます。さらに、収入を得るときの民忠の下がり方も半分に抑えられ、諜報力も20を下回りません(常に諜報レベル1が保たれます)。外交面でも、AI勢力のほうから積極的に親睦や同盟の交渉に訪れてくれますし、プレイヤーが過半数の拠点を確保して最大勢力が確定したあとは、同盟勢力が裏切って別の勢力へ鞍替えすることもありません。
目標は、まず「同盟勝利」
天下統一――盤面をすべて自分の色に塗り替える完全制覇――は、終盤までかなり計算して詰めないと、なかなか届きません。慣れるまでは、まず同盟勝利を狙ってプレーするのがおすすめです。
考え方の軸はこうです。同盟勢力の進出先をむやみに潰さず、そのうえで、自分の勢力が最も多く拠点を確保できる位置取りを探す。盤面を見ながら「どちらへ伸びれば自勢力が最大になるか」を考えて進めていく――これが同盟勝利への基本の組み立てです。
同盟勢力との付き合い方には、少し駆け引きも入ります。同盟勢力が伸びすぎると、こちらが押さえたい拠点を先に取られてしまうことがあります。そこで、ときにはあえて援軍の数を絞り、同盟勢力の進みを緩めるのも一手です。ただし、これは今の名声値と相談。名声が60を下回っているときは、迷わず援軍を多めに出して、名声の確保を優先してください。援軍は、名声を積むための行動でもあるからです。
Kingdom Chronicle は、同盟が肝のゲームです。だからこそ、どの勢力と組むかの選択も、いちど下がった信頼度をどう戻すかも、そのまま勝敗に効いてきます。盤面全体を眺めて、自分の勢力が一番大きくなる道を探しながら進める――それが、同盟勝利への一番の近道です。













