Kingdom Chronicle 攻略(3)全土戦HARD攻略

8月上旬に熱が出て、1週間ほど寝込んでいました。ようやく回復した頃には、もうお盆。自治区の体育委員をしていることもあり、そのまま地区行事の手伝いなどが続いて、ようやく一段落したのが最近です。
というわけで、少し間が空いてしまいましたが、『Kingdom Chronicle』攻略記事の最終回です。

今回は「全土戦」のHARDを実際にプレイしながら、同盟統一までどう盤面を組み立てていくかを見ていきます。

これまで紹介してきた訓練度や兵の動かし方、外交、援軍といった要素も使いながら、序盤の勢力選択から勝利目前まで、実際の盤面に沿って考えていきましょう。

クリアまで大体1時間半くらいでした

勢力選択について

今回選ぶのは、おすすめ度としては★2の中央スタート「グランヴェル連合王国」です。

このゲームでは、中央に位置する勢力ほど隣接勢力が多くなります。そして初期に同盟相手を探す場合、隣接している勢力とは、隣接していない勢力よりも同盟成立率が若干低くなっています。

要するに、AI勢力もプレイヤーと同じように、「遠交近攻」を少しだけ意識して動いています。

ただし、これは絶対的なものではありません。あくまで確率的に少し不利になる程度で、親睦を重ねて信頼度をある程度まで上げれば、その差はほぼ無くなります。

普段はあまり気付かないかもしれませんが、低い信頼度のまま同盟を締結しようとすると、この差が意外と効いてきます。特にHARDでは、AI勢力がプレイヤーを特別扱いせず、他のAI勢力と同じ基準で判断するため、この傾向が表に出やすくなります。

中央スタートには、初期の同盟相手探しで若干不利というデメリットがあります。

その一方で、攻める方向を選びやすいという大きなメリットもあります。周囲の情勢を見ながら攻め先や同盟相手を変えられるため、慣れてきたプレイヤーなら、むしろ中央スタートの方が動きやすいかもしれません。

動的に変わっていく情勢を見ながら、その都度方針を切り替えられるのが中央勢力の面白いところです。

中央スタートのグランヴェル連合王国を選択

初期配下ですが、今回は遠慮なく選ばせていただきました(笑)。

まずは、「抜擢」持ちのセレスティア・ローレン

「抜擢」は発動すると、最高レアリティの武将を在野からピックアップするという強力な特技です。初期のうちに有力な配下を素早く揃えるのに向いています。

また、セレスティア本人は戦争向きの能力ではありませんが、知力・魅力が高く、開発・施し・外交・諜略と使い道が広いため、終盤まで活躍できます。

次に、アズリエル・ファルネ

本人の能力の高さは言うまでもありませんが、特技の「魔法陣」が強力です。

魔法兵科の使いにくい点として、兵科補正が大きくマイナスになることがあります。「魔法陣」が発動すると、この弱点をほぼ帳消しにでき、多くの戦争で有利な兵科補正を得られます。

さらに知力100なので、終盤になってからも計略や引抜で使えるおすすめ武将です。

最後は、ルカ

「無才」という特技を持っています。

この特技は発動すると、行動時に発生する乱数が常に有利な値になります。要するに、乱数に幅のある処理で常に最大――あるいは処理内容によっては最小――の結果を引く特技です。

ぱっと見では地味ですが、徴兵・開発・施しから戦争まで幅広く発動し、そのたびに最良の結果を取ってくるので、実際にはかなり強力です。

本人の能力値も全体的に高いため、序盤は内政から戦争まで幅広く任せられます。ただし戦争では専門の戦争特化武将には及ばないため、配下が揃ってきたら内政や外交を中心に担当させるとよいでしょう。

初期武将については、作成武将を揃えてしまうというのもおすすめです。

「新星発見」の特技持ちを初期配下に入れておけば、作成武将をスムーズに集められます。

エリア戦では図鑑未登録武将を優先的に発見する特技でしたが、全土戦では武将が図鑑登録されないため、作成武将を優先して探す特技に変化しています。

作成武将を使いたい場合は、セレスティアの「抜擢」と入れ替える形で採用すると効果的です。

初期配下の選択は正解がないので悩みどころです

初期の戦略構想

ゲームを開始したら、最初に考えることは大きく2つです。

1年目~2年目にどこを攻めるか?
そして、どの勢力と同盟するか?

まずはこの2点を決めます。

グランヴェル連合王国と初期に隣接しているのは、ヴェルナ帝国、ヴェスタリア神聖法国、カルディス王国の3勢力です。

今回は、接続関係から一気に攻め滅ぼしやすい南のヴェスタリア神聖法国を最初のターゲットにします。

君主は千里眼持ち。序盤は特に諜報へコマンドを割きたくないので配下にいるだけでかなり有益な武将です。さらに配下には剣聖となかなか優秀な武将がいるため、できれば速攻で攻め込み、早い段階でこちらの戦力として取り込みたいところです。

準備はシンプルに、徴兵してから訓練。

ただし、配下集めに加えて、HARDでは親睦や同盟についてもAI勢力がプレイヤーを特別扱いしてくれません。こちらから早めに動いておく必要があるため、序盤はコマンド配分に悩むところです。

1年目を準備期間とし、速ければ1年目冬、遅くとも2年目の夏までには攻め込める状態を目標に進めます。

同盟相手をどう考えるか

同盟勢力については、あくまで一つの考え方ですが、私は序盤から少し役割を分けて考えています。

一つは、できれば終盤まで関係を維持したい勢力

これは直接領土がぶつかりにくい、少し離れた勢力を選ぶと扱いやすくなります。

もう一つは、情勢によって関係を見直すことも想定した勢力です。

こちらは立地にそれほどこだわりません。場合によっては隣接勢力でも構いません。

要するに、

序盤に結んだ同盟勢力すべてと、最後まで一緒に進む必要はない

ということです。

盤面によっては同盟相手の入れ替えを積極的に検討します。

私は、一つの勢力とは終盤まで関係を切らさないよう、必要なら親睦を行って信頼度90以上を常時キープ

もう一つの勢力については、その後の情勢次第では同盟を破棄する、あるいは戦争が起きても援軍を送らず静観することも選択肢として考えながら行動します。

序盤から「誰と最後まで組むのか」と「誰とは状況次第で関係を変えるのか」を意識しておくと、中盤以降の外交がかなり組み立てやすくなります。

南のヴェスタリア神聖法国が接続関係的に攻め易い

最初の侵攻を計画する

最初の侵攻について計画します。

まずは画像の黄色のルートから攻め込みます。

訓練度100、兵数50を用意できたら、できるだけ早く実行したいところです。

無事に最初の拠点を確保できたら、ヴェスタリア神聖法国へのトドメは2拠点同時侵攻で行います。

これは、最後の1拠点で粘られる展開を避けるためでもあります。

トドメを刺す段階で複数拠点へ同時に侵攻できるよう、自勢力の拠点を調整しながら進めていきます。

基本的に、勢力を滅ぼす最後の局面では、可能であれば複数拠点への同時侵攻を狙っていきます。

トドメの一撃は可能なら複数同時侵攻が有効

中盤より先の展開を計画する

3年目春の大陸図です。

無事、南部のヴェスタリア神聖法国を併呑。

さらに、北からアルディア王国、南東からミラルド連邦に攻め込まれていたヴェルナ帝国へ上手くトドメを刺し、配下も獲得できました。

現在の同盟勢力は、セルファ連合(水色)とカルディス王国(茶色)です。

配置を見ると、カルディス王国が西側を押さえているため、自勢力は東側へ伸ばしていく展開になりそうです。

そして南を見ると、ダルグレン侯国(濃い緑)が残り1拠点

ここは次の獲物として狙えそうです。

セルファ連合、カルディス王国と同盟
南のダルグレン侯国があと1拠点で滅亡寸前
ダルグレン侯国はアルディア王国とのみ同盟

思わぬ泥沼戦に

ダルグレン侯国は残り1拠点。

同盟関係を確認しても、同盟相手はアルディア王国のみです。

こちらの方が同盟関係でも有利なので、「これはあっさり滅ぼせるだろう」と出陣します。

ところが、ここで同じことを考えた勢力がいました(笑)。

カルディス王国です。

さらに、攻め込んだ翌ターンにはダルグレン侯国とグレイン共和国の同盟が成立。

これでこちらの同盟優位は崩れます。

しかもカルディス王国と同時に攻め込む形になったことで、こちらは援軍面で逆に不利な状況へ。

AI勢力も、滅亡を避けるために外交を使って必死に生き残ろうとします。

AI勢力も滅亡を避ける為必死に生き残り戦略を実行します

もちろん戦争結果は敗北。

その後、間を空けずにもう一度攻め込みますが、またしてもカルディス王国と同時攻めになり、援軍面で不利となって再び敗北します。

ここで、いったん戦略を変更。

ダルグレン侯国は放置します。

理由は、北側からカルディス王国へオルゼア公国が攻め込んできたからです。

滅亡寸前に見えていたダルグレン侯国は、同盟成立によって息を吹き返しました。

ならば無理にそこへこだわらず、カルディス王国に塞がれていた北側へ進出してきたオルゼア公国を新たな攻撃目標にします。

無理筋にこだわらず、変動する盤面を観察して、その時点での最善の一手を探します。

そしてこの頃から、カルディス王国とはタイミングを見て手切れすることも視野に入れ始めます。

裏では次の外交を仕込む

ここで密かに活躍するのが、「讒言」持ちのアデリアです。

何をさせたかというと――

ひたすらグレイン共和国に資金10で親睦です(笑)。

狙いは、グレイン共和国との信頼度を上げながら、同時にダルグレン侯国へ送られる援軍数を減らすこと。

地味ですが、これを数ターンしつこく続けました。

「讒言」はかなり強力な特技ですが、ただ使えば強いというものではありません。

誰と誰が同盟しているのか。
次にどの勢力と関係を作りたいのか。
どの援軍を減らしたいのか。

盤面の外交関係を見た上で使うことで、効果が大きくなります。

この時点ではまだカルディス王国と同盟していますが、その裏ではすでに次の外交関係を作る準備を始めています。

讒言の特技はかなり強力だが上手くハメるには状況分析が必要

中盤から終盤の盤面を想起する

7年目春の大陸図です。

ミラルド連邦が消え、現在はアルディア王国へトドメの進軍中です。

同盟関係は変わらず、セルファ連合(水色)とカルディス王国(茶色)

ただし、西の雄だったカルディス王国は、こちらが援軍量を調整してきたこともあり、今では風前の灯火となっています。

援軍については、名声がある程度貯まってからは、すべての戦争へ全力で出す必要はありません。

「この戦争は勝ってほしい」という場合にはMAXまで援軍を出しますが、そうでなければ義理の10援軍で済ませることもあります。

今回は、各地で混戦を続けているセルファ連合には基本的にMAX援軍。

一方のカルディス王国には、防衛戦ではMAXまで援軍を出しつつ、進攻戦では最小限に抑えてきました。

カルディス王国そのものをすぐに滅ぼしたいわけではありません。

しかし、あまり勢力を広げられてしまうと、こちらが次に攻め込む場所まで取られてしまいます。

同盟勢力を守りながら、伸びすぎないように援軍量を調整する。

終盤を見据えるようになると、援軍にもこうした使い方が出てきます。

西の雄であったカルディス王国は残り1拠点まで衰退
長年小競り合いを続けきたアルディア王国を遂に討伐

ダルグレン侯国討伐戦へ

一時は滅亡寸前だったものの、息を吹き返して3拠点まで回復したダルグレン侯国。

しかし、盟友だったアルディア王国が陥落したことで、再びこちらが同盟関係で優位になりました。

ここは間髪入れず、2拠点へ同時侵攻します。

これで残り1拠点。

前回はここから援軍関係が崩れて泥沼になりましたが、今回はそのままトドメまで一気に行けそうです。

迷わず攻め込みます。

その間も、変わらずグレイン共和国へは親睦(讒言)の使者を送り続けます。

目の前ではダルグレン侯国と戦いながら、外交ではその先の盤面を準備している状態です。

ダルグレン侯国と再び一戦交える

予定通り、ダルグレン侯国の討伐に成功しました。

これでグレイン共和国は同盟勢力を失い、新たな同盟相手を探すことになります。

こちらは以前から親睦の使者を送り続け、地道に信頼度を上げています。

もっとも、ダルグレン侯国と交戦するたびにグレイン共和国から援軍が送られてきたため、その都度関係も悪化しており、思ったほど信頼度は上がっていません(笑)。

ですが、ダルグレン侯国が滅亡したことで、少なくともこの戦争を原因として信頼度が下がることはなくなりました。

ここからは関係を回復しやすくなります。

現在の同盟関係だけを見るのではなく、次に誰と組むのかまで考えながら盤面を整理していく。

中盤から終盤にかけては、こうした外交の仕込みも重要になってきます。

最後の詰め

残り4勢力となり、同盟関係もそれぞれ2同盟の状態となっています。

この終盤では、同盟勢力に対する信頼度をおろそかにできません。

HARDでは、最大勢力に対してAIが警戒し、阻止する方向へ動きやすくなります。ここまで大きくなった自勢力は当然その対象となるため、破棄されて困る同盟勢力については、最低でも信頼度90以上をキープしておきたいところです。

ここを軽視すると、終盤になって予期せぬ同盟破棄を受け、せっかく整えた盤面をひっくり返されることがあります。

親睦にはコマンドを使いますが、終盤では必要経費と考えます。

また、信頼度を安全に維持するためには、現在の外交状況をすぐ確認できるよう諜報力60以上も常時確保しておきましょう。

敵対勢力はオルゼア公国のみ
最後の詰めの戦い

今回の残り4勢力を見ると、敵対勢力はオルゼア公国のみ。

ところが同盟関係を確認すると――

見事にそれぞれ2勢力ずつと同盟しています(笑)。

自勢力はセルファ連合、グレイン共和国と同盟。
オルゼア公国も、同じくセルファ連合、グレイン共和国と同盟しています。

こうなると、最後はどれだけ同盟関係を安定して維持できるかの戦いです。

同盟勢力には実行可能なら毎回親睦を続けていたので常に最良の状態に
敵対するオルゼア公国の外交状況、競合している同盟からの援軍が期待できません

最大勢力になってから同盟勢力には、親睦が実行可能になるたびほぼ毎ターンのように実行してきたため、セルファ連合・グレイン共和国ともに信頼度はほぼ最高の状態を維持しています。

一方、敵対するオルゼア公国も両勢力と同盟していますが、信頼度が過度に下がっている状態なのでオルゼア公国は、同盟勢力からの援軍を期待できません。

信頼度差からプレイヤー勢力、オルゼア公国どちらに援軍が来る可能性が高いかというと当然信頼度の高いプレイヤー勢力への援軍が期待できるでしょう。

いよいよ最後の詰めです。

予定通り援軍は全てプレイヤー勢力へ派遣され、オルゼア公国は滅亡しました。

開戦当初は勝ったり負けたりだったが遂に討伐成功
11年目の春、無事同盟処理が確定する

外交と諜報力について

序盤はどうしてもコマンドに余裕がなく、親睦や諜報へ割り当てるのを後回しにしたくなります。

しかし難易度がNORMAL、HARDと上がるにつれて、外交と諜報にコマンドを使わないプレイほど展開が不安定になりやすくなります。

勝つべくして勝つためにも、

諜報力は60以上をキープ。
同盟を破棄されて困る勢力は信頼度90以上をキープ。

この2点を目安に動きましょう。

ただし、こちらが親睦を続けて信頼度90以上を維持していても、二虎競食や讒言などの計略によって、知らない間に信頼度を下げられることがあります。

その変化を素早く察知するためにも、諜報力60以上の常時確保が重要です。

終盤になって自勢力が圧倒的になれば、戦争そのものは難しくなくなります。

むしろ怖いのは、外交状況を確認せず「もう勝った」と思って進めてしまうこと。

最後まで諜報と親睦を切らさず、盤面を安定させた状態で勝利条件へ詰めていきましょう。

ちなみに外交官に必要な能力ですが、知力と魅力です。どちらも等価に必要で合計値が160程度あると成果が安定し易いです。

諜報力と計略、引抜について

諜報力は、計略・引抜の成功率に直接影響します。

諜報力が100であれば、本来の成功率がそのまま適用されます。
これは成功率が100%になるという意味ではありません。たとえば本来の成功率が10%なら、諜報力100では10%のまま処理されます。

一方、諜報力が50の場合は本来の成功率が半分となり、同じ例なら成功率は5%まで低下します。

計略や引抜を実行する前には、可能な限り諜報力を上げておきましょう。

なお、計略の成否には知力が影響しますが、引抜には知力と魅力の両方が影響します。

同盟している勢力同士の戦争の援軍について

名声を十分に確保できており(80以上、できれば90~100)、どちらの勢力とも友好関係を維持したい場合は、どちらにも加担しないという選択がおすすめです。

天秤状態の場合、援軍を送らなくても名声は下がりません。ただし、両勢力からの信頼度は下がるため、その後は親睦を行って必ず回復しておきましょう。

一方、どちらかに加担すると、敵に回った側の勢力からの信頼度が大きく低下します。あとで関係を修復するには、その分だけ親睦に資金とコマンドを使うことになります。

相手側から同盟を破棄させたいなど、明確な狙いがないのであれば、どちらにも加担しない方が後々の出費を抑えやすいでしょう。

盤面を見ながら勝ち筋を組み立てる

今回は全土戦HARDを、序盤の勢力選択から同盟統一目前まで追いながら攻略してみました。

最初に立てた計画通りに進んだところもあれば、ダルグレン侯国との戦いのように、AI勢力の外交によって思わぬ泥沼になった場面もあります。

全土戦では勢力が多く、それぞれが戦争や外交を繰り返すため、開始時に考えた戦略が最後までそのまま通用するとは限りません。

だからこそ大切なのは、最初に完璧な計画を立てることではなく、変化した盤面を見ながら次の一手を考えることです。

攻めにくくなった相手はいったん放置する。
同盟勢力が伸びすぎそうなら援軍量を調整する。
現在の同盟関係だけでなく、その次に組む勢力との関係も少しずつ作っておく。

そうした小さな判断を積み重ねていくことで、最初は複雑に見える全土戦も少しずつ整理されていきます。

HARDでは、プレイヤー勢力だからという理由で外交で選ばれやすくなったり、計略の対象から外れやすくなるような優遇がありません。逆にプレイヤーだけが不利になるわけでもなく、AI勢力と同じように条件を満たせば確率で行動の対象になります。
そのため、戦争だけ強ければ勝てるというわけではありません。

訓練度、兵数、援軍、信頼度、諜報力。

これまでの攻略記事で紹介してきた要素を使いながら、「今どこを攻めるべきか」「誰と組むべきか」「次に盤面がどう変わるのか」を考えてみてください。

決まった攻略手順をなぞるのではなく、その時々の情勢から自分なりの勝ち筋を組み立てていく。

そこが『Kingdom Chronicle』の全土戦で、一番楽しんでもらいたいところです。

全3回となった攻略記事は、今回でひとまず終了です。

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。

Kingdom Chronicle 攻略(2)序盤から中盤へ

第1回では、序盤の初動と「訓練度」の扱いを見ました。今回は、最初の拠点を取ってから盤面が開けていく――いわゆる中盤への移り方です。

Kingdom Chronicle でつまずきやすいのは、実はこの継ぎ目です。序盤の型はつかめたのに、そこから先で手が止まる。理由の多くは、他のシミュレーションゲームで身についた「常識」を、そのまま持ち込んでいることにあります。ひとつずつ置き換えていきましょう。

「押し合い」に入ったら

序盤に隣接拠点を落とすと、接する国が増え、武将も増えて、コマンドに余裕が出てきます。ここで徴兵・訓練・開発のどれに手を回すか迷いはじめる――それが中盤の入り口です。

目安は、拠点数が6、武将が君主込みで8名になったあたり。ここからを中盤戦と考えてください。そこまでは徴兵・訓練・出陣を最優先にして、序盤のAI勢力がまだ満足に同盟を組めておらず、兵数も訓練度も確保できていない――その隙を狙い続けます。このあたりで、滅亡する勢力も出はじめているはずです。

コツは、全部を均等にやろうとしないこと。次に「どこを叩くか」を先に決めて、そこから逆算して配分します。当てる先が決まっていない資源運用は、たいてい薄く広がって、どれも間に合いません。

基本は序盤と同じで、兵数の確保と訓練度100の維持を軸に、開発と施しを隙間へ挟みながら、着実に自勢力を育てます。コマンドの優先順位でいえば、徴兵・募兵と訓練が最上位です。

兵は「貯める」より「回す」

最初に捨ててほしい常識がこれです。兵数をため込んでも、強くはなりません。

一度に能動的に動かせる兵には上限があり、名声が高くてもそれが青天井になるわけではありません。その上限を超えて抱えた兵は、いわば在庫です。そして在庫は、こちらが動かずにいる間も、相手の国力が伸びる分だけ静かに目減りしていきます。

たとえば名声50なら、同時出陣の限界まで動員しても150止まりです。手元に兵が300いても、能動的に動かせるのは150で、残りは動きません。出陣できる拠点の数が1~2しかなければ、動員できる数はさらに減ります。

仮に相手のAI勢力の兵数が、こちらの半分の150だったとしましょう。その時点の勝敗は、武将や同盟の状況にもよりますが、おおむね五分五分です。ところが数ターン先を見据えると、兵の調達効率で勝るプレイヤー側へ、天秤は自ずと傾いていきます。

だから、貯め込むより、効率よく調達して回す。溜めた大軍で一度に押し切る発想より、必要なだけを絶やさず供給し続ける発想のほうが、このゲームには合っています。

訓練度は「掛け算」で効く

同じ兵数でも、訓練度が違えば結果が変わります。兵の数だけでなく、武将の武力と訓練度が掛け合わさって、実際の戦力になるからです。数だけ揃えた軍が、訓練の行き届いた少数に競り負ける――これはよくあります。

徴兵したターンに、そのまま訓練まで回す癖をつけておくと、戦力の立ち上がりが安定します。

そして覚えておきたいのが、相手の訓練度が落ちた瞬間です。そこが、こちらのカウンターの窓になります。

攻め始めたら、止めまで

中盤で一番効いてくるのが、テンポの感覚です。

攻撃を仕掛けたら、間を空けない。一手空けると、その隙に相手も徴兵から訓練へと立て直します。こちらが回復に使う時間は、そっくり相手が回復する時間でもある――ここを見落とすと、延々と削り合いが続きます。

二部隊で攻めた次は一部隊、また二部隊、というように圧を切らさず、相手が訓練度を戻しきる前に次を当てていく。Kingdom Chronicle の「上手さ」は、編成や配置よりも、「いつ叩くか」に宿っています。

敵の拠点を、どう残すかも工夫のしどころです。残り1拠点まで追い込むと、AI勢力はその一拠点に名声上限いっぱいの兵を集められるため、かえって守り続けられてしまいます。そこで、詰める手前で相手を残り2拠点にして同時に攻める、あるいは3拠点なら二部隊出陣・一部隊出陣と、タイミングを計って畳みます。どちらも兵数の削り合いになるので、つい立ち止まって回復したくなりますが、攻めはじめたら息切れしないよう立ち回ります。

ここで一つ、このゲームの根っこを押さえておきます。プレイヤーとAIには、同じルールが適用されています。だから、こちらが苦しい展開は、立場が逆になれば、そのまま有利に働きます。難易度によってはプレイヤー側に大きなアドバンテージがあり、完全に平等というわけではありませんが、NormalやHardでは処理結果そのものは同じです。つまり、こちらが回復するのと同じペースで、AI勢力も回復してくる――だからこそ、手を止めないことが効いてきます。

中盤の生命線は、外交

単独の力押しで押し切ろうとすると、中盤のどこかで息が切れます。

名声は、信義ある行動――たとえば同盟国への援護――を通じて上がっていきます。この名声が、動員できる兵の上限に効いてくるため、外交を回してきた勢力は、終盤の総力戦で動かせる頭数がまるで違ってきます。

同盟国との信頼度は、いわば援軍の掛金です。同盟国が攻められたときに、こちらも援軍を惜しまない。これを怠っていると、いざ自分が助けを必要とする局面で、援軍がむしろ相手の側に集まっていた、ということが起こります。援軍は、来た瞬間に決まるのではなく、それまでの積み重ねで決まっています。

【開発チップ】難易度の仕様について

せっかくなので、難易度ごとに内部で何を変えているか、開発側から少しだけ明かしておきます。

Easy は、プレイヤーが少しだけ有利になりやすいよう調整しています。たとえば、開始直後にAI勢力が捜索で高レアリティの武将を引き当てにくい、といった具合です。外交面でも、Casualほどではないものの、AIがプレイヤー勢力を選ぶ確率がやや高めに設定されています。ただ、目に見えて優遇されるのは序盤の立ち上げ時期までで、そこから先はNormalとほとんど変わりません。序盤を楽に立ち上げて良い布陣を作れる分だけ有利、という難易度です。

Normal は、プレイヤーとAIがほぼ同じ条件で戦う難易度です。どちらかを優遇する補正はほとんどかかっておらず、いわば土俵が平等な状態。基本の処理結果を、そのまま味わえるのがここです。

Hard では、AI側の収支がわずかに多めになります。加えて、プレイヤー勢力が盤面で最大になると、AIがそれに敏感に反応し、こちらの邪魔になる手を選びやすくなります。突然、同盟を破棄してくることもあります。

Casual は、まずゲームの仕組みをつかんでもらうための難易度で、プレイヤーがAIよりかなり優遇されます。大きいのは収支の差です。Normalを基準にすると、Casualではプレイヤーの収入が約1.2倍、AIの収入が約0.8倍に補正されます。その結果、同じ国力・民忠でも、両者の収入にはおよそ1.5倍の開きが生まれます。さらに、収入を得るときの民忠の下がり方も半分に抑えられ、諜報力も20を下回りません(常に諜報レベル1が保たれます)。外交面でも、AI勢力のほうから積極的に親睦や同盟の交渉に訪れてくれますし、プレイヤーが過半数の拠点を確保して最大勢力が確定したあとは、同盟勢力が裏切って別の勢力へ鞍替えすることもありません。

目標は、まず「同盟勝利」

天下統一――盤面をすべて自分の色に塗り替える完全制覇――は、終盤までかなり計算して詰めないと、なかなか届きません。慣れるまでは、まず同盟勝利を狙ってプレーするのがおすすめです。

考え方の軸はこうです。同盟勢力の進出先をむやみに潰さず、そのうえで、自分の勢力が最も多く拠点を確保できる位置取りを探す。盤面を見ながら「どちらへ伸びれば自勢力が最大になるか」を考えて進めていく――これが同盟勝利への基本の組み立てです。

同盟勢力との付き合い方には、少し駆け引きも入ります。同盟勢力が伸びすぎると、こちらが押さえたい拠点を先に取られてしまうことがあります。そこで、ときにはあえて援軍の数を絞り、同盟勢力の進みを緩めるのも一手です。ただし、これは今の名声値と相談。名声が60を下回っているときは、迷わず援軍を多めに出して、名声の確保を優先してください。援軍は、名声を積むための行動でもあるからです。

Kingdom Chronicle は、同盟が肝のゲームです。だからこそ、どの勢力と組むかの選択も、いちど下がった信頼度をどう戻すかも、そのまま勝敗に効いてきます。盤面全体を眺めて、自分の勢力が一番大きくなる道を探しながら進める――それが、同盟勝利への一番の近道です。

Kingdom Chronicle 攻略(1)序盤の動きと、訓練度の話

Steam版『Kingdom Chronicle』を発売しました。

ブログの更新が止まっていたので、ここから何回かに分けて攻略記事を書いていきます。作者が実際にどう遊んでいるか、という視点のメモです。

第1回は、序盤の動きと「訓練度」について。


序盤は、準備を短く終わらせる

最初に前提をひとつ。

このゲームは、内政をじっくり固めてから戦争に出る、という組み立てにすると苦しくなります

国盗りSLGの多くは、序盤に内政を回して国力を蓄え、十分に育ってから出陣する流れになっています。その感覚で入ると、Kingdom Chronicle では手が止まります。

こちらは、攻めるための準備を短いターン数で終わらせて、早く動くほうが安定します。攻めが最大の防御、という言い方が近いかもしれません。

序盤にやることは3つです。

1. 空席を埋める

空席(武将の登用枠)を放置していると、単純にコマンド実行機会が失われ、それだけで出力が落ちます。開始直後に確認して、埋められるものは埋めてしまってください。
但し捜索成否にはある程度の知力と魅力が必要です。それらの能力が低い武将は訓練などに回すことも考えます。

2. 同盟先を選ぶ

同盟は「強い勢力と組む」より、位置関係で選ぶほうがうまくいきます。

自勢力をどのように進出させるかプランに従って同盟先を考えます。シンプルに最も離れた勢力がお互い進路を塞ぎ難いので良いかもしれませんが、進出競争の邪魔(攻め落とす拠点の選択で進路を妨害)もできないので、敢えて近くの勢力を選ぶのも有りかもしれません。

誰と組むかではなく、どこへ進出し、どこで塞ぐかで考えてください。
注意すべき点としては、同盟勢力の攻め込む先を完全に塞ぐと同盟破棄して進出先を確保する動きになりやすいので注意が必要。

3. 出撃準備を速く済ませる

やることは徴兵と訓練です。ここを短く終わらせるほど、有利な時期に動けます。
秋の収入を得られた頃に武力の高い武将へコマンド実行させて早急に兵数確保、訓練度を上げましょう。

そして、この2つのコマンドには順番の仕様があります。次で説明します。


訓練度は、そのまま戦力です

ここからが本題です。

訓練度は、部隊の戦力にそのまま掛かるパラメータです。

  • 訓練度100 → 戦力100%
  • 訓練度80 → 戦力80%

補正や係数ではなく、そのままの割合です。訓練度80の部隊は、同じ兵数でも2割弱い部隊になります。対戦する武将の武力が同じで兵数に差があっても訓練度で逆転していればその差はかなり縮まります。

つまり、兵を増やすより先に、今いる兵の訓練度が100かどうかを見てください。

原則:訓練度は常に100をキープする

コマンド配分の基本方針は、これだけです。

訓練度が下がったまま兵を増やしても、増えた分にも同じ割合が掛かります。兵数を積む前に、訓練度を戻したほうが効率が良くなります。

徴兵と訓練は、同じターンに出せる

重要な仕様です。

徴兵をすると訓練度が下がります。新兵が入るので当然です。

ただし、徴兵(募兵)と訓練を同じターンに指示した場合、解決順は「徴兵(募兵) → 訓練」で固定されています。

  1. 徴兵、募兵が処理される(兵数が増える/訓練度が下がる)
  2. そのあと訓練が処理される(訓練度が上がる)

この順番のおかげで、兵数を増やしながら訓練度100を維持できます
AIも基本この手順を踏んでくるので訓練度を維持しようとしながら増兵してきます。但し、プレイヤーほど厳密に100キープラインを狙って徴兵/訓練のコマンドバランスを考えるまでは行っていない為、隙(訓練度100未満)が多いです。

徴兵したターンは訓練度が下がるもの、と諦めて別ターンに訓練を回すと、その1ターンぶん動き出しが遅れます。序盤ではこの差が効きます。

有効な特技

訓練度まわりで見ておきたい特技は、このあたりです。

  • 名指導 — 訓練度の上昇量が大きい。この特技持ちは序盤から終盤まで活躍の場が多い
  • 徴兵術 — 徴兵時の兵数が増えます。序盤の資金繰りが苦しい時は特に役立ちます
  • 仁政 — 徴兵時の民忠下落を抑えます。民忠は収入に影響するので地味に恩恵があります
  • 精鋭選別 — 徴兵時の新兵の訓練度が高くなります。訓練要員が足りない時に

特に名指導は使い勝手が良く、この特技を持つ武将を確保できたら序盤のテンポが変わります。


コマンドは、まとめて出すより刻むほうが安い

もうひとつ、コマンド配分に関わる仕様があります。

投入した資金に対する効果は、比例しません。

資金10の投入で得られる効果を100%とすると、3倍の資金30を投入しても効果は300%にはならず、200%程度にとどまります。投入額が増えるほど、資金あたりの効率は落ちていきます。

つまり、

  • 急ぐなら、多めに投入する。1ターンで大きく動かせます
  • 費用対効果で見るなら、少額を刻む。同じ資金でより多くの効果が得られます

速度が優先される場面では多くの資金を投入し、資金難や地道に費用効果を高くしてコマンドを積み上げる場合は少額投入などと使い分けます。

一方、盤面が拮抗して削り合いになってくると、資金の総量がそのまま継戦能力になります。同じ資金で何ターン戦えるかが効いてくるので、刻んで対費用効果で上げていくか、一気に資金を投入して速攻するかと判断します。

急ぐか、節約するか。この判断が局面によって切り替わることが、資金運用のポイントです。

中盤以降の資金運用については、次回の記事で扱います。


応用:相手の訓練度を見る

訓練度は自分だけのパラメータではありません。

諜報で敵勢力の状態を見ると、訓練度が100を下回っている勢力がよくあります。徴兵の直後は特にそうです。

訓練度80の勢力は、表示上の兵数がこちらと同じでも、実際の戦力は2割低い状態です。

なので、

  • 相手の兵数だけを見て「まだ勝てない」と判断しない
  • 諜報で訓練度を確認する
  • 相手が徴兵を入れてきそうなタイミングを読んで、そこへ出陣する

という考え方ができます。

兵数が拮抗しているように見える盤面でも、訓練度の差で押し切れる場面はあります。


まとめ

  • 序盤は準備を短く。内政を固めてから、では遅い
  • 空席を埋める → 位置で同盟先を選ぶ → 徴兵と訓練
  • 訓練度は戦力にそのまま掛かる。常に100を目標に
  • 徴兵と訓練は同じターンに出す(解決順が徴兵→訓練のため両立できる)
  • 諜報で相手の訓練度を見る。数字ほど強くない相手がいる

次回は「中盤の進め方」を予定しています。


『Kingdom Chronicle(王国創世記)』Steam版 リリース日決定のお知らせ

久しぶりの更新になります。

しばらくブログの更新が止まっていましたが、その間も『Kingdom Chronicle』の調整と、Steam版の準備を進めていました。

そしてこのたび、Steam版のリリース日が決まりました。

『Kingdom Chronicle』Steam版は、2026年7月22日(水)20:00 にSteamで発売予定です。無料版を公開してから、ようやくSteam版の発売日を告知できるところまで来ました。

今回は、Steam版のリリース日決定のお知らせと、無料版からSteam版で変わった点についてまとめます。

■ Steam版のリリース日が決まりました

『Kingdom Chronicle』Steam版の発売日は以下の予定です。

2026年7月22日(水)20:00

Steamストアページはすでに公開済みで、現在ウィッシュリスト登録が可能です。

また、リリース日決定にあわせて、Steam版として初めてのプレー動画も公開しました。序盤に何をすればよいか、実際のゲーム画面を使って紹介する内容です。

『Kingdom Chronicle』は、ターン制のファンタジー戦略SLGです。一国の主となり、武将を集め、内政を行い、同盟や援軍を活用しながら、天下統一を目指します。

戦闘は自動解決で、プレイヤーは細かな部隊操作ではなく、

・どこへ出陣するか
・誰を向かわせるか
・どの勢力と同盟するか
・援軍を頼むか、送るか
・どの武将を登用/引抜/捕縛するか

といった戦略判断を中心に進めていきます。


■ 無料版公開からSteam版へ

『Kingdom Chronicle』は、まず無料版を公開しました。

無料版は体験版ではなく、最後まで遊べる完成版です。まずは自分の作った戦略SLGを、実際に遊べる形で公開する。そこを大きな区切りとして考えていました。

その後、無料版をベースにしながら、Steam版に向けて調整や追加実装を進めてきました。

Steam版は、無料版からゲーム内容を根本的に別物にするものではありません。ただ、Steamで販売する版として、UI、ヘルプ、武将、イベント、シナリオ構成などを見直し、より遊びやすい形に整えています。

無料版を遊んでくださった方にも、Steam版では細かい部分の違いや調整を感じていただけると思います。

ゲーム全体の流動性を高めるため、名声の自然減少、破棄のペナルティ緩和、AI勢力が積極的に同盟を組み替える鞍替え外交、全土戦限定での予期せぬ蜂起(新たな勢力の発生)など、終盤まで盤面が動き続ける調整を入れています。難易度が上がるほど、AI勢力は最大勢力の一強化を許さない動きになっていきます。

また迎撃に強い新兵科「重装」の登場、孤軍奮闘や虚報など援軍に対する強化/弱体する特技も新たに追加しています。

この辺りは好みが分かれる部分なので、Steam版の調整を無効化し、無料版と同じ挙動で遊べるモードも用意しました。AI思考や細かなルールを従来どおりにしたい方は、そちらを選んでいただけます。

■ Steam版ではUIをかなり見直しました

Steam版に向けて、特に時間をかけたのがUIまわりの見直しです。

見た目のブラッシュアップだけでなく、各種情報の配置、ボタンの見え方、結果画面の読みやすさ、ヘルプへの導線など、かなり細かく調整しました。

『Kingdom Chronicle』はシンプル寄りの戦略SLGですが、それでも扱う情報はそれなりにあります。

・武将の能力値
・勢力の状態
・同盟関係
・友好度
・信頼度
・拠点情報
・戦争やイベントの結果
・ターンごとの変化

こうした情報が見づらいと、ゲームの流れそのものが分かりにくくなります。

そのためSteam版では、見た目を整えるだけでなく、「どの情報を、どこで、どのタイミングで見せるか」を意識して調整しました。

UIは一度作って終わりではありませんでした。実際に動かしてみて、

・この情報はここに出た方が分かりやすい
・このボタンは少し目立たない
・この結果表示は読む順番が分かりにくい
・ここはもう少しゲームらしい見た目にしたい

と感じるたびに、何度も張り替えています。

これは「これだけ頑張りました」と言いたいわけではなく、自分が納得できるところまで突き詰めたかった、という感覚に近いです。

『Kingdom Chronicle』は、複雑なシステムで押し切るゲームではありません。だからこそ、毎ターン触る画面の分かりやすさや、結果表示の気持ちよさは大事にしたいと思いました。

無料版の時点でも一通り遊べる形にはなっていましたが、Steam版ではそこからさらに、見た目と操作感を整える方向でかなり手を入れています。

大きな新システムを足すというより、今あるゲームをきちんと遊びやすく磨く。Steam版では、そこをかなり意識しました。


■ ゲーム内ヘルプを追加しました

Steam版では、ゲーム内ヘルプも充実させました。

これまでもWebマニュアルは用意していましたが、プレイ中に毎回ブラウザで確認するのは少し手間です。

そこで、ゲーム内でも簡単な説明を見られるようにしました。各コマンドの意味や、序盤に何をすればよいかなど、最低限の情報はゲーム内で確認できるようにしています。

もちろん、細かい仕様まで完全にゲーム内で説明しきるのは難しいので、詳しい情報はWebマニュアル側に残しています。ただ、最初の取っかかりとしては、ゲーム内ヘルプだけでもある程度分かるようにしたいと考えました。

『Kingdom Chronicle』は、複雑で挫折させるゲームではなく、戦略SLGの最初の一歩として遊べるものにしたい。そのためにも、ヘルプまわりはSteam版でかなり意識して整えています。

各所に「?」ボタンを配置しており、簡単な説明が参照できます。
Webマニュアルで最もアクセスが多い特技一覧をゲーム内へ実装しました。


■ 無料版からの主な追加要素

Steam版では、無料版からいくつかの追加要素があります。

まず、武将を24名追加しました。無料版では144名だった武将数が、Steam版では168名になります。

武将は、探索による登用、他勢力からの引抜、戦争や滅亡時の捕縛など、ゲーム中のさまざまな流れで登場します。武将数が増えることで、プレイごとの出会い方にも少し幅が出ると思います。

また、軍師助言のバリエーションも追加しました。
それに併せて「いつでも助言」ボタンも実装。ボタンクリックでいつでも状況に応じた助言を聞く事ができます。

フクロウのボタンをクリックで軍師の助言がいつでも。

『Kingdom Chronicle』では、プレイヤーの判断を補助するために軍師が助言を出します。出陣、計略、外交、ターン開始時の状況など、さまざまな場面で一言コメントが入ります。Steam版では、この助言の種類を増やし、より状況に応じた案内が出るようにしました。

さらに、ターンイベントも追加しています。

季節や勢力状況に応じて発生するイベントに加え、名声が上昇するイベントも追加しました。名声は、勢力の評判のようなパラメータです。同盟や援軍、破棄など、勢力間の関係にも関わるため、単なる飾りの数字ではなく、ゲーム中で意味のある値として扱っています。

ターンイベントが増えることで、毎回の展開にも少し変化が出るようになりました。

■ 全シナリオの拠点と接続も調整しました

Steam版では、全シナリオに拠点を追加し、接続も調整しました。

戦略SLGでは、マップ上の拠点配置と接続がかなり重要です。

・どこからどこへ攻められるのか
・どの勢力が孤立しやすいのか
・同盟によってどのルートが塞がるのか
・拠点数によって武将枠や行動回数がどう変わるのか

こうした部分は、拠点の数やつながり方によって大きく変わります。

無料版公開後の調整として、各シナリオの拠点を増やし、接続関係も見直しました。これにより、勢力ごとの展開や、序盤の動き方にも少し変化が出ると思います。

派手な追加要素ではありませんが、戦略SLGとしての遊び心地にはかなり影響する部分です。

シナリオ3では北の山間部、南西の島に拠点を増設。
全土戦マップでは南北に回廊を用意しました。


■ 『Kingdom Chronicle』は、戦略SLGの最初の一歩として作ったゲーム

以前の記事でも書きましたが、『Kingdom Chronicle』は、複雑な戦略SLGへの入口になるようなゲームを目指して作りました。

昔の光栄ゲームのような、数字を眺めながら国を育て、武将を動かし、外交し、戦争するゲームが好きでした。

一方で、最初からあまりに複雑にしすぎると、初めて触る人には入りづらくなります。そこで『Kingdom Chronicle』では、要素をかなり絞っています。

・内政
・外交
・謀略
・武将登用
・出陣
・援軍
・自動戦闘

戦略SLGらしい要素は残しつつ、できるだけ流れを追いやすくしました。

複雑で挫折させない。でも、国を広げていく楽しさや、武将を集める楽しさは残したい。そういう考えで作った作品です。

『Kingdom Chronicle』は、自分にとって戦略SLG制作の最初の大きな一歩でもあります。まずはこの作品を、Steam版としてしっかり届けたいと思っています。

■ 次回作についても検討中です

少し先の話になりますが、次回作についても少しずつ検討を始めています。

『Kingdom Chronicle』は、戦略SLGの入口になるようなゲームとして作りました。複雑で挫折させない。けれど、国を広げる楽しさ、武将を集める楽しさ、外交や戦争を考える楽しさは残す。そういう方向性の作品です。

一方で、本作を遊んで「もっと管理要素が多い方が好き」「もう少し本格的な戦略SLGを遊びたい」と感じる方もいるかもしれません。そういう方に向けた作品も、いずれ作ってみたいと考えています。

ただ、どういう規模のものにするか、いつ頃になるかは、まだはっきりとは決めていません。

正直なところ、次にどれくらいのものを作れるかは、本作をどれだけの方に遊んでいただけるかにもよります。個人開発なので、やりたいことを全部入れるとすぐに破綻しますし、規模が大きくなるほど時間もかかります。だからこそ、ここは慎重に考えているところです。

それでも、『Kingdom Chronicle』を作ったことで見えてきたものはかなりあります。本作を入口として遊んでもらい、そこからもう少し骨太なSLGへ進みたい人に向けて、次の作品を考えていきたいと思っています。

まずは、目の前の『Kingdom Chronicle』を、きちんと届けることに集中します。

■ 今後の予定

Steam版のリリース日まで、引き続き細かな調整を行っていきます。

大きな仕様追加というよりは、表示の分かりやすさ、不具合修正、バランス確認、ストアページや告知まわりの準備が中心になります。

無料版を公開した時点でも大きな区切りでしたが、Steam版のリリース日はまた別の意味で大きな区切りです。

個人開発なので、できることには限りがあります。それでも、自分が好きだった戦略SLGの感覚を、自分なりに形にしたいと思って作ってきました。

発売まであと少し。引き続き『Kingdom Chronicle』をよろしくお願いいたします。

■ Steamストアページ

『Kingdom Chronicle』Steamストアページはこちらです。

https://store.steampowered.com/app/4855560/Kingdom_Chronicle

ウィッシュリスト登録していただけると、とても励みになります。

https://gamebiz.jp/news/429103

シンプルなSLGを作る理由 〜あの骨太な世界への、最初の一歩〜

前に、昔の光栄ゲームが好きだったという話を書いた。

画面いっぱいに数字が並び、武将の能力値を眺め、地図を見ながら次の一手を考える。
少し面倒で、少し不親切で、でもずっと遊んでいられる。
あの「数字の向こうに国が見える」感覚が、私はとても好きだった。

その記事を書いたあとで、ふと思ったことがある。

あの面白さに、今の人たちはどうやって出会うんだろう、と。

■ 「面倒くさいから面白い」は、入口では「面倒くさそう」になる

昔の歴史SLGや戦略SLGには、面倒くささがあった。
そして私は、その面倒くささこそが面白いと思っている。

ただ、これは少し残酷な話でもある。

「面倒くさいから面白い」は、すでにその面白さを知っている人の言葉だ。
初めてその画面を開いた人にとっては、ただ「面倒くさそう」で終わってしまう。

画面いっぱいの数字。
たくさんのパラメータ。
何をすればいいのか分からない最初の数十分。

刺さる人には深く刺さる。
けれど、刺さる前に閉じてしまう人も、たぶん同じくらいいる。

私が愛したあの沼は、入口がとても高い。
そして、その高さのせいで、たどり着く前に引き返してしまう人がいる。

それは、少しもったいないことだと思う。

■ だから、入口だけを低くしたかった

今、私は『王国創世記 -Kingdom Chronicle-』という戦略SLGを作っている。

このゲームは、シンプルだ。
管理する要素を絞り、画面を見やすくし、直感的に触れるようにしている。

これは、骨太なSLGを否定したかったからではない。

むしろ逆だ。

あの骨太な世界が好きだからこそ、その入口を作りたかった。

いきなり複雑で、大量のリソース管理を求められるゲームは、初心者にとって食わず嫌いの対象になりやすい。
面白さを知る前に、難しさで弾かれてしまう。

だから、まず気軽に触ってもらえるようにした。
ターンを進める。
武将を配置する。
国を少しずつ広げる。

その「国を動かす楽しさ」の片鱗を、まず味わってほしい。

シンプルなのは、手を抜いたからではない。
何を残し、何を削るかを考え続けた結果だ。
正直なところ、足すよりも削るほうがずっと難しかった(笑)

最初に目にする勢力選択画面だがここから相当悩んでデザインした
起点となる画面は色々なデザインと試したが一長一短があり紆余曲折
武将管理やコマンド群も極力簡素に


■ シンプルの中に、奥行きを忍ばせたい

とはいえ、ただ薄いゲームを作りたいわけではない。

私がもう一つ大切にしたいのは、少ないルールやリソースで、どこまで奥深さを出せるか、という点だ。

シンプルなものは、放っておくと単調になる。
これは作っている自分が一番よく分かっている。
だから、その単調さを別の要素でどうカバーするかを、ずっと思案している。

たとえば、戦争で押し合うだけが盤面を動かす方法ではない。
計略で揺さぶる。
忠誠の低い武将を引き抜く。
適度に親睦を深めて、関係を変えていく。

少ない要素の中にも、膠着した盤面を動かす手は隠してある。

すぐには見えないかもしれない。
そこは私の見せ方の課題でもあると思っている。
このあたりは、また別の記事で、実際のプレイを通して紹介してみたい。
開発者が考える特技ランキングなんかも、やってみたら面白いかもしれない(笑)

■ 「こうだったらいいな」が生まれたら、それはもう

私がこのゲームで一番作りたいのは、プレイした人の中に「こうだったらいいな」が生まれる状態だ。

ここでもっと計略が使えたら。
こういう外交ができたら。
この武将に、もっと活躍の場があれば。

プレイしながら、そんな要望が頭に浮かんでくる。

実は、その感覚こそが、SLGにハマる入口なのだと思う。

物足りなさは、欠点であると同時に、次の興味でもある。
「もっとこうしたい」と思い始めた人は、もうSLGの面白さの側に立っている。

もし、このゲームを遊んで「物足りない」と感じた人がいたなら。
その人は、たぶん、もっと骨太なSLGを楽しめる人だ。
『烈風伝』や『ロイヤルブラッドⅡ』のように箱庭を作り込む奥深さも、『提督の決断Ⅲ』のように数字と睨み合う歯ごたえも、その先には待っている。

だとしたら、それはこのゲームにとって、失敗ではない。
むしろ、入口としての役割を果たせたのだと思う。

■ SLGの沼へ、ようこそ

私の願いは、少し欲張りかもしれない。

『王国創世記』で「SLGって面白いかも」と思ってくれた人が、いつかもっと複雑で骨太なSLGに手を伸ばしてくれたら。
あの、数字の向こうに国が見える世界に、たどり着いてくれたら。

このゲームを、終着点ではなく、入口にしたい。

そして、もう一つ。

長くSLGを愛してきた人たちが、その新しい仲間を迎えてくれたら、と思う。

このジャンルは、決して万人向けではない。
それでも好きだと言い続けてきた人たちが、ずっと支えてきた。

その裾野が、少しでも広がってほしい。
新しいプレイヤーが、SLGの面白さに出会う最初の一歩になれたら。

それが、このゲームに込めた、一番の願いだ。

少し古くて、少し面倒で、でもずっと遊んでいられるSLG。
その入口に、一人でも多くの人が立ってくれることを願っている。

『王国創世記 -Kingdom Chronicle-』は、たぶん、その思いから始まっている。